ヒルクライムとは自分との戦い
よほどの猛者でない限り ヒルクライムレースとは名ばかりの個人タイムアタック
ただ練習は違う
何もない山の中の峠道は自分の呼吸しか聞こえない
そんな予定調和を崩すように現れるのが 仲間の呼吸
時間差をつけて登り始めたはずが 呼吸が聞こえる
ペダルの一回転毎に呼吸が近づいてくる
引き離すためにもっと回したい
一時的には離せてもすぐに限界が見える
自分の呼吸が乱れる
自分との孤独な戦いの最中の仲間の呼吸は外乱そのもの
いつのまにか人との戦いになってしまう
追い抜く時は無言
それが次の糧となる
今度こそ無音のまま過ごす