壊れたテールライトを分解してその真価をみる。
ロードバイクの備品に求められるものは以下の条件
- 丈夫である
- 耐水性が高い
なぜなら、サスペンションのないロードバイクは路面の振動をもろに受ける。
そのため、振動に弱い=丈夫じゃないパーツはすぐに壊れる。当たり前だけど、丈夫であることは最優先事項だ。
乗ってるときに急に壊れるようなパーツはイヤだ。
基本的に、休日は晴れでないとロードバイクに乗らない。
しかし、自転車で通勤、通学をしているとそうも言ってられない。
天気予報は晴れと言っていたのに、午後になったら雨が降っていることなどよくある。
そんな過酷な条件で使われるロードバイクの備品には、やはり丈夫で耐水性が高いことが重要であることは疑いの余地もない。
今回は、長年の使用により壊れることとなったテールライトを分解し、なぜこのように長期にわたって使用できたのか考えてみた。
✔ 本記事のテーマ
分解したテールライトを見てわかった壊れにくい特徴
ちゃんとしたものには設計者の魂が宿る。
使用期間は7年
使用していたテールライトは”キャットアイのTL-LD610”と呼ばれるものだ
これはかなり古いモデルなので、すでに生産終了品となっている。
最初に書いておくと、テールライトは壊れて点灯しなくなったが、原因は電池からの液漏れだった可能性が高い。
なので、キャットアイのテールライトは悪くない(と思ってる)。
というのも、電池自体が白い粉に包まれていて、それがライト内部で固着していた。電池取り出すのがめちゃめちゃ大変だった。
電池は定期的に交換しよう!!
ライトより先に電池がダメになることがある。数百円の電池のせいで、その十倍の値段のライトが壊れるのが納得できない。
とはいえ、交換するタイミングを決めるのが難しいということもある。
いずれにしろ、テールライトは7年の使用で破損に至った。
分解のしずらさが高い耐水性の証
分解してきれいにすれば直るかと思い分解しようとしたが、このテールライトは各パーツが接着されているため、分解不可能であった。
よくある、ツメによる引っ掛かりで固定しているのではなく、パーツ同士が接着してある。
これにより、高い耐水性が保たれているのだと推定する。
もし分解したい人はこの手順でやると分解できます。ただし、現状復帰はできません。壊れていないテールライトでやると”壊す”ことになるので要注意。
- マイナスドライバーを用意(先が薄いもの)
- ドライバーを赤と黒のパーツの接触面にねじ込む
- ドライバーをプラスティックハンマーでたたく
壊れているので遠慮は無用とばかりにいきましょう。すると、写真のように分解できます。
基板は緩く固定しているのかシール用のシリコンなのか
さらに分解を続けると、LEDを取り付けている基板がとりだせます。
この基板は電池ケースの裏側に収まる恰好になってます。その固定方法は以下のように。
- 電池のプラスマイナスの金属部分で固定
- 金属部分の周りにはシリコンのようなものが付着
先に、金属スイッチ部分をケースに通し、それを基板側とのちのち溶接している構造。
そうすると、固定してあるのが金属板(ばねみたいな)なので、ある程度ロードバイクからの振動をいなすことができると推定。
また、その周りにはケースと金属板の隙間をシールするためなのかシリコンが付着。このシリコンにより、隙間を埋めてガタをなくす、耐水性を上げるという目的がありそう。
うまくいけばこのシリコンによって振動を減衰することも可能か。
言えるのは、かなりコストをかけて作っているということ。
電池側からの水の侵入は、電池を入れるためのカバーでしっかりシールすればないと言えるので、
基板を守るためにそこまでやる必要はないかもしれない。
しかし、そこまでコストをかける。それが設計者、メーカーの思いだ。
すごいな。しっかり考えてるなと感心してる。
全部分解したテールライトはこちら
基板と電池ケース側を切り離すために、金属板を切断したがそれ以外は接着部分を剥がすことで分解した。
この部品たちを見ていると、各部品のチリがしっかりあっており、高い精度で作られていることがよく分かった。
パーツを剥がすために、マイナスドライバーを差し込むのが大変だった。それぐらい、パーツ同士の隙間がない。要するに狙い通りの形状になっているので、接着しても隙間ができない。
捨てる前に分解しようと思いたってよかった。
やはり、必要な機能を満たすためには、必要な設計があり、思いがあるのだ。
まとめ
自分が使っているロードバイクの部品がどうなっているかを知ると面白い。
やはり、自分の手でものを触るというのは大切なことだと再認識できた。
では、最後に自分で考えたキャットアイのテールライトが丈夫なわけを再度まとめる。
- 各パーツが接着されており耐水性が高い
- LED基板は衝撃を緩和しやすい構造となっており破損しにくい
シンプルな部品ではあるが、それでも長持ちするいいものを作るには、作り手の考えがたくさん入っているのだとわかった。
安いだけのコピー製品はどこまでその考え、思いがあるかと。
そんなことを思いながら新しいテールライトを購入するのであった。
では また